ラムサール条約湿地

東海丘陵湧水湿地群は今年でラムサール条約登録10周年!
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豊田市の湧水湿地とラムサール条約

 東海地方の丘陵地には、小規模な湧水湿地がたくさんあります。水を浸透させにくい層と水を浸透させやすい層が積み重なっている場所に湧き出した湧水は、地表面へ広がってこうした湧水湿地を作り出します。また、土砂崩れによって剥がれた地表の上に湧水が供給されることによっても成立します。

 東海地方に点在するこれらの湧水湿地は面積が小さく、貧栄養(栄養に乏しい)であることが特徴です。そこにはミカワシオガマやシラタマホシクサ、シデコブシやトウカイコモウセンゴケなど希少な植物が生育しています。これらを東海丘陵要素植物と呼び、その多くが世界でも日本のこの地域でしか見られない固有のものです。

表. 東海丘陵要素植物一覧

 愛知県豊田市にある矢並湿地、上高湿地、恩真寺湿地はこうした湧水湿地の代表として、2012年に湿地に関する国際的な条約であるラムサール条約の登録湿地となりました。この三湿地を東海丘陵湧水湿地群と呼びます。

※ラムサール条約……正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいますが、この条約が採択された国際会議の開催地であるイランの都市ラムサールにちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。水鳥に限らず、希少な動植物やその地域を代表する重要な湿地が登録されています。
参考:
環境省「ラムサール条約と条約湿地」

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東海丘陵湧水湿地群

 ラムサール条約の登録湿地である、矢並湿地上高湿地恩真寺湿地をご紹介します。自然環境の保全を優先するため、いずれの湿地も常時公開はしておらず、自然観察会などに参加することで見学することができます。
 観察会の日程等の詳細については、豊田市自然観察の森の
イベントカレンダーをご覧ください。


矢並湿地

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 矢並湿地は豊田市の中心市街地から東へ4km、周囲を低い山に囲まれた谷に成立した湿地です。市道を挟んで西湿地と東湿地の二つにわかれ、湿地植物をはじめとした約300種類の植物とハッチョウトンボやヒメタイコウチなど約500種類の昆虫が確認されています。
 8月中旬頃から開花するシラタマホシクサは湿地を一面の白で埋め尽くし、秋頃にはミカワシオガマのピンク色とともに湿地を鮮やかに彩ります。
 湿地を貧栄養の状態に保つため、近隣住民を主体とした「矢並湿地保存会」により草刈りなどの保全作業が継続的に行われています。

矢並湿地保存会による活動の様子
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上高湿地

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 豊田市上高町の山林の中に位置する湿地です。ため池の周囲に3つの湿地があり、上鷹見小学校に児童によって、それぞれトウカイコモウセンゴケの湿地、シデコブシの湿地、シラタマホシクサの湿地という名前がつけられています。傾斜地の岩場や湧水が流れる谷、起伏の緩やかな湿地など、多様な地形に多様な植生が存在しています。特に、東海丘陵湧水湿地群の中でトウカイコモウセンゴケが見られるのは上高湿地のみです。
 「上高湿地を守る会」により保全作業が行われているほか、湿地からほど近い上鷹見小学校の児童が年に数回訪れ、未来の保護活動の担い手として学習を行っています。

上鷹見小の児童による湿地ガイド
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恩真寺湿地

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 恩真寺湿地は、恩真寺境内の北東に位置する湿地です。草本群落である本湿地とその上流にある森林に囲まれた奥湿地の2つの湿地から成り、シデコブシやヘビノボラズ、ミカワシオガマ、シラタマホシクサなど、四季を通じて多様な植生を見ることができます。
 恩真寺は、郷土を代表する偉人である鈴木正三(1579年-1655年)の建立したお寺であり、その境内にある湿地とともに歴史的・文化的な価値を持っています。
 地元自治区の人たちによって、定期的な管理と保全作業が行われています。

恩真寺
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